何故隠す、プルサーマル発電。 福島原発3号機の問題点。 他の放射物元素も拡散しているのでは?

木村建一 @hosinoojisan

何故隠す、プルサーマル発電。

福島原発3号機の問題点。

他の放射物元素も拡散しているのでは?

 

 福島原発問題で、これまで、政府、東電、朝日新聞や毎日新聞等マスメディアで、報道されていない問題がある。(私の見落としかもしれないが)

 金子慶大教授の、朝日ニュースター番組、「ニュースに騙されるな」という番組を思い出させる。

 それは、福島第一原発、3号機が、MOX燃料を使用したプルサーマル発電方式のことである。

 軽水炉で、MOX燃料《プルトニウム1/3混入》を使用して発電しているが、今回の福島原発の事故は、ソ連のチェルノブイリや米国のスリーマイル島の事故とは違った、初めての大規模なプルサーマル発電事故と言え、世界から注目されているのである。

 プルトニウムを使ったプルサーマル発電は、数か国が行っていたが、現在主流は、フランスと日本だけと言ってよいだろう。

 WIKIPEDIAによると、以下のような欠点が指摘されている。

欠点

しかし、プルサーマル方式は、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉でプルトニウムを(一部)燃やすこともあり、経済的な課題のほか、技術的に見て課題点が多い

再処理に関わる部分
  • 軽水炉からの高レベル核廃棄物をそのままガラス固化させる場合と比べ、事故が発生する可能性が飛躍的に高まる
  • 再処理によって核廃棄物は却って増える(一般的な資源のリサイクルと異なる点)
  • 冷戦終結後、ウラン資源の需給は安定しており、再処理で製造したMOX燃料では経済的に引き合わない状態になっている(つまり、プルサーマル計画自体が不経済)。
  • 再処理を行なうと核燃料の高次化が進むため、最大でも2サイクルまでしか行なえない(高速増殖炉の場合はこの問題は発生しにくい)[3]
    • これに対し原子力関係者は使用済み燃料の発生量や再処理工場の能力などから1サイクル目が終わるのは来世紀などと考え向き合うことを避けている。
  • 再処理を行っても、利用できるのは使用済み核燃料のうち1~2%を占めるプルトニウムのみで、燃え残りウランは高速増殖炉のメドが立っていない現在、利用するアテがない。
MOX燃料の軽水炉での燃焼に関わる部分
  • 高速増殖炉と比べて燃焼中に核燃料の高次化が進みやすく、特にアメリシウム241が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、反応が阻害され、臨界に達しなくなってしまい、核燃料として使用できなくなる。
  • 上記と関連し、事故が発生した場合には従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなり、被ばく線量が大きくなると予測される。
  • 原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。[4]
  • 燃え方にムラが生じ、よく燃えるところの燃料棒が加熱・破損しやすくなる。もっとも、これは現行の方式ではコストを下げるために一部の燃料棒のみにMOX燃料を入れるから起きる現象で、コスト面を犠牲にして全燃料棒にMOX燃料を入れるように変更すれば回避できる。
  • 水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合において、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる。(燃料体の設計および原子炉内での配置を工夫することによって対処が可能[4])
MOX燃料そのものの持つ危険性

MOX燃料を参照。

MOX燃料の問題点

  • ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。
  • ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる
  • 核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。
  • FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる
  • 性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムの塊(プルトニウムスポット)が生じてしまう(国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない)。

 私は、素人だが、このような記述を見ると、大変危険な代物であることだけは、理解できる。

 本日も、「黒煙」が出たとのことであるが、燃料棒露出によるプルトニウム水溶液の蒸発ではないかとの疑いを持っている。

 このように見てくると、政府や東電が発表した以外の放射能物質が放出されているのではないかと危惧している次第である。

 SPEEDによるシュミレーション結果も発表されたが、全容を発表していないので、返って、危機的な感想を強めた次第である。

 不利と思えるデータも公表して、「真」の解決策を行うべきであろう

 

 私は、新日鉄時代、様々な『事故隠し』や『災害隠し(労災隠し)』を、摘発した経験を多く持っているが、今回の政府や東電の行動を見ると、構造がきわめて似ていると思っている。

 最終的には、「事実」が明らかになり、責任が問われることとなるが、不条理な策謀は、必ず、破綻するとだけ、警告しておきたい。

 

☆☆☆☆☆☆

昨日は、突然、WEBサーバーがトラブって、予定が狂ってしまった。

 

・・・・本日は、これまで・・・・

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何故隠す、プルサーマル発電。 福島原発3号機の問題点。 他の放射物元素も拡散しているのでは? への5件のフィードバック

  1. 大本営被害者 より:

     プルトニウムに関して言えば、プルサーマルを推進しようとする東電や経済界、それに乗った政府と利害が一致して言論統制をしているね。何しろ、中立であるべき原子力委員会の斑目(まだらめ)委員長が原発製造プラントの東芝社員から箔付けに東大原子力工学科に席をおかせ、委員長になっているんだから全くデタラメ委員会だよね。
     それからついでに言うと、東大教授、とか準教授とか普段お高く止まっていて、テレビ番組などには出ようとしないお偉い先生方が、「安心です、安心です」と連呼しているね。 東大工学部原子力工学科などというのは、原発があってこそ、存在意義がある学科なんだ。だから世論が原発反対に傾かないようにしないと、ご自身のメシの食い上げになるんだね。この際、原子力学科の暗黙の意思として、「テレビに積極的に出て、世論誘導せよ」ということがあるだろうね。
     我々としては、いこのような言論統制に対抗するにはインターネットを活用して、対抗するよりない。それでも、原発の写真など極端に放送が少なくなったね。判断使用にも判断のもとになる、一次情報さえ、公開しようとしない。
     IT規制がかかるのも時間の問題だろうが、それまで、頑張ろう。

  2. より:

    3号機がMOXを導入していると云う事を最近知りました。
    唯でさえ大災害なのに、これでもう一つ次元の違う問題になってしまいましたね。
    原発火災の当初からアメリカ等が極めて神経質になっているのは、彼らが福島原発がMOXで営業運転をしている事を、勿論承知していて計算済みだったんだと納得しました。 然し彼らも日本政府が言い出さない以上、この件を口に出さないのは当然。然し原発推進派の強大な影響力は今も顕在(保身を含めて)ですから、残念ながら庶民(だけでなく能天気な国会議員も)本当の恐ろしさと、それが起こる確率さえ知らないで、政争など等、いま遣るべきで無い事に憂さを晴らしている。
    すべき事の提案ー1)ウロウロしている国会議員(本当に努力している人は免責)を議会に集め、然るべき権威者(これが問題だが)から、何が起こっていて、どうなるのか? を確り聴かせる。国会中継しても良い。
    -2)徹底した情報公開と、色々な立場からの意見、楽観は、悲観はあってよい。 どれを信じるかは、夫々の人に任せる。
    -3)長期:若し幸いにして生き残れば。 将来のエネルギー政策を議論する場に入る人間の過去調査。太平洋戦争では戦後、急に立場を買えたやからが多発。 今回はそれをトレースし、締め出す必要あり。

  3. 憂国 より:

     福島第1、プルサーマル3号炉水掛け後3/21の黒い煙は金属プルとニュームの発火の可能性がある。その屋上鉄骨の融解は他と違う。
      http://rightaction.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/3-79a5.html
     1986年のチェルノブイリの事故は、大量のプルトニウムの放出を引き起こした。金属プルトニウムには発火の危険がある。特に素材が微粒子に分割されている場合が危険である。金属プルトニウムは酸素および水と反応し、水素化プルトニウム、ピロリン酸化合物が蓄積する可能性があり、これらは室温の空気中で発火する物質である。プルトニウムが酸化してその容器を壊すとともに、プルトニウムが相当に拡散する。 (WIKIPEDIA)

     IAEAと日本の公式なデータを基に、欧州放射能危機委員会(ECRR)の科学担当幹事クリス・バズビー教授がふたつの方式で試算を出した。

    1)トンデル方式はスウェーデン北方のマーティン・トンデルによる研究に基づいたもので、これはチェルノブイリの10年後の癌の発症を調べたもの。土地の様々な汚染レベルで区分けし、1平方メートルの地表につき放射性降下物質が100キロベクレルごとに癌が11%増加したことを突き止めた。バズビー教授はこれを、IAEAが平均で1平方メートル当たり600キロベクレルと報告した原子炉から100キロ圏内に当てはめた。この330万人が居住する100キロ圏内では事故以前の発生率より66%の増加が今後10年で予測される。
    これは福島の事故による被爆で2012年から2021年までに10万3,329人が余計に癌を発症することを意味する。トンデル方式を福島から100キロから200キロの間の輪っか状のの地域に当てはめると、人口は780万人だが降下物質の濃度は低くなるので、2021年までに12万894人が余計に癌になると予測される。居住者が他地域へ避難しないものとした場合、トンデル方式による予測の合計は10年で22万4,223人の増加となる。

    2)二番目の方式は生物システムのなかで様々な核種が異なった動きをするというECRRの指摘に重きを置いたものだ。これによると、0から100km圏内では19万1,986人が余計に癌になり、その先の輪っか状地帯では22万4,623人が発症すると予測される。多分この内の半数は最初の10年に出て、残りは10年から50年後の間に出るだろう。居住者が他地域へ避難しないものとした場合、この二番目の方式による予測の合計は41万6,619人で、その内20万8,310人が最初の10年に発症するだろう。
    よって、ふたつの方式の示す値はかなり近いと言える。

    慶応大学医学部講師(放射線治療科)の近藤誠氏: 米国は1950年から広島や長崎の被爆者9万人(近距離被爆者5万人、遠距離被爆者4万人)と非被爆者3万人を対象に寿命調査をしていますが、1980年代に入り、低線量被曝であってもがんになる確率が高くなることが分かったからです。
     しかも05年に英国の有力医学雑誌に掲載された15カ国の原発労働者40万人を追跡調査したリポートでは、50mSv以下の被曝線量であっても発がんリスクが高まると報告されたのです。
    (東電と御用学者の隠蔽体質は70年前の大本営発表を思わせる。プルトニュームは感知外だ。3号機はチェルノブイリの危険レベルにすでに達している。)

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